Needs of Growth Engineering

LINE Growth Technologyが目指すもの、そして求められる人物像について、 取締役として立ち上げを行う福島英児と片野秀人がじっくりと語り合いました。ほしいのは、“山歩き”が好きな人……?

左:福島 英児(ふくしま えいじ)/ LINE Growth Technology株式会社 取締役

制作会社を経て2009年10月にネイバージャパン(現LINE)に入社し、検索サービスに関わる。その後、LINEのフロントエンドエンジニア組織を統括する立場として現在に至る。

右:片野 秀人(かたの ひでと)/ LINE Growth Technology株式会社 取締役

2009年3月ライブドア(現LINE)にサービスインフラ担当として入社、livedoor Blogや、LINEのファミリーサービス等のサービス運営に関わる。2013年より社内IT部門責任者を兼任。2016年LINEモバイル立ち上げなどを経て、現在に至る。

LINE Growth Technologyって何をする会社?

片野:設立の背景から話した方がいいですよね。現在、LINEグループ全体として、たくさんのサービスを展開しています。 エンジニアの人数はそれなりにいるのですが、“新しいサービスを作る”という点にコミットしているケースが多くて、 そのエンジニアたちが“サービスを成長させていく”ことを同時に担当するのが難しくなっているんですよね。

福島:新規でモノを作るパワーと、作ったモノを継続的に成長させていくパワーは全然違いますからね。 そこで、完全に違う方向を向いた、違うスキルを持った人たちを集めてサービスの「成長(Growth)」 を専門的にやっていきましょうと立ち上げたのがLINE Growth Technology(以下GT)です。

その「成長」の意味合いは、サービスによって変わってくると思っていて。 単純に機能を追加していく場合もあれば、キャンペーンなどの施策を打つことが成長につながることもあるでしょう。

片野:そうですね。もちろん、最終的にはユーザー数や売上を伸ばすことが大前提になりますが、 単に数字を伸ばすということ以上に、ユーザーにとって使いやすく面白いサービスを作っていきたいと。 その結果として数字が伸びるのが理想です。短期的に売上のことだけを考えると、ユーザーにとっての利便性などが犠牲になる場合があります。 それを避けるためにも、サービスの成長を中長期的に考えられる組織にしていきたいですね。

Growthする仕事の面白さ

片野:エンジニアの中には新しいものをどんどん作りたいという人もいれば、ひとつのサービスをじっくり育てたいという人もいます。リリースしたら、すぐ次の新機能開発や新規サービス開発に向かうことが多いので、「やり残してしまった……」という感じになることは結構ありますよね。

福島:どのサービスもファーストリリースの日程が決まっている場合があって、そこに合わせるために「この部分は、優先順位が低いので後回しにしましょう」ということがあるのは、仕方ないんですけどね。結局、そのまま忘れ去られていくこともあって……(苦笑)。

片野:そうそう。優先順位としては、どうしても新しいものや大きなものを作る方向に流れがちになるので。その“やり残し”はユーザーから指摘されるだけじゃなくて、エンジニアの感覚としてもずっとモヤモヤする(笑)。そういう意味では、このGTは最後までやり切れるというか、細かいところ含めて全部こだわれます。

福島:Growthが好きな人は、ユーザーのフィードバックが満足感に直結していることも多いと思うんですよ。サービスを継続的に成長させることでユーザーの声をもっと聴いて、より発奮して次につなげていく、って楽しいはずですよね。

片野:間違いないですね。Growth領域ではユーザーのことはもちろん、サービスの開発や運営を継続させるうえで考えなきゃいけないことがたくさんあります。例えば、オペレーション担当が毎月ギリギリの状態で「今月の作業間に合いました……」という状況になっていたら、そこはエンジニアが気が付いて、ツール化を提案するとかするべきですよね。サービス運営を続けていくために何が必要なのか、常に考え続けて欲しいです。

そういう意味で、サービスを取り巻く全体の環境をイメージして、その先に何かトラブルが起きるかもしれないということを考えながら、動けるといいですね。「ここを今潰しておかないと、もっといいサービスにならないよね」って能動的に企画に意見するくらいに。

いま求められるエンジニア像

片野:開発のチームとしては5人とか10人ぐらいになることが多いかもしれませんが、サービスのオペレーションということになれば数十人から100人規模になることもあるでしょう。目の前にいる人だけではなく、多くのメンバーが関わっている……そういう想像力をはたらかせることも大事ですね。

福島:たしかに。例えば、あるサービスの運営に関わる編集チームがあって、その編集の人たちが使っているツールで「何か不便なところはないかな?」と想像してあげられることですよね。ただ受け身でいるだけじゃなくて。

GTでは、技術は“目的”ではなく、あくまでも“手段”なんです。その中で「ある目的を達成するためには、この手段を使うといいのでは?」と考える。単にひとりで考えて突っ走るんじゃなくて、「こっちのほうがいいんじゃない?」「いや、これを組み合わせたらどうだろう?」とみんなで議論を重ねていきます。そういうコミュニケーションを通して、手段を最適化して、結果的に目的を達成したいと。

片野:LINEでのモノづくりって、各分野のプロが集まって、それぞれの持論を全力でぶつけ合うことで良いものを生み出そうとする。でも、サービスをリリースして、オペレーションの担当者や社外の方など、関わる人が増えると、同じテンションのままだと上手くいかないことが多いんです。そのままだと“倒しちゃう”ことがある(笑)。

少人数でバチバチやりながら作っていくやり方と、色々な人から上手に意見を引き出していくやり方があって、それは、フェーズや相手に合わせて変えていく必要があります。そこを柔軟に対応できる人が求められますね。

片野が描いた謎の図形……。左上の星型は、“崖のぼり”に向いているエンジニア像、右上の八角形は、“山歩き”に向いているエンジニア像です。下の折れ線のように推移するサービスの成長フェーズに応じて、崖のぼり、山歩き、それぞれのプロがサービスを支えていきます。

“崖のぼり”よりも“山歩き”

片野:僕と福島さんの中で、GTをイメージするフレーズとして「これだ!」と思えるものがありましたね。“崖のぼり”ではなく“山歩き”(笑)。ゼロの状態からサービスを生み出すのは崖をのぼることに似ているなと。そこに挑むエンジニアは尖った星型で、各頂点がザクッ!と突き刺さることで崖をのぼる感じ。でも、その形だけでは山道を転がりながら継続的・計画的に進んで行くのは難しい。GTで求める“山歩き”に向いたエンジニアは、星型よりも穏やかな角を持つ形で、よりちゃんと転がっていける(笑)。

福島:そうそう(笑)。とはいえ、山歩きも言うほど平坦な道が続くわけじゃないんですよね。LINEや関連サービスが目指す視点はかなり上を向いてますし、獣道のように「どっちに行ったらいいんだろう?」という場面で新たな道を見出していくこともあるでしょうし、整地して後に続く人を導く仕事もあるでしょうから。そういう意味では、山歩きの過程にもたくさんの起伏があっていろんなチャレンジがあるんです。

片野:一緒に働きたいと思ってくれる若い人たちには、GTに長くいてほしいという気持ちはあるけど、LINEグループの中で別の分野に興味を持って異動してもいいし、その選択肢として他の会社を選ぶこともあるでしょう。それはそれでいいんじゃないかなと思っているんですよ。

福島:うんうん。山を歩いているうちに崖のぼりの楽しさに目覚めることもあるでしょうから、そこはちゃんと道を用意してあげたいですね。外に出てもまた戻ってくるパターンもありますし(笑)。

片野:たしかに、あるあるですよね(笑)。 でも、外に出て行ったときに「GTから来た人って優秀だよね」って言われたらうれしいですね。

ともに成長できること

福島:僕はもともとリーダー的なポジションと言いますか、今のようなマネージメント的な立場をどちらかというと避ける傾向がありました。引っ込み思案で人と話すのが苦手だったんです。ただLINEでマネージャーとしてのキャリアパスが用意されて、やり始めてみたら、組織作りや人をリードする楽しさを学びました。そういう機会を与えてくれたのがLINEで、「この道を伸ばしていってもいいかな」と思えるようになったことが僕自身の成長かもしれないですね。

片野:なるほど。僕の場合は同じことを1年、2年やり続けるケースがあまりないんですよ。今はGTを立ち上げていますし、2年ぐらい前はLINEモバイルという会社を立ち上げていましたから、常に新しいことにチャレンジして成長してる実感はあります。マネージメントや会社の役員というポジションについては、自分が仮に転職をしても目指そうとは思わないですね(笑)。自分が解決したい問題、課題があって、それをやるための最短ルートがそういうポジションだったというだけなんです。自分では選ばなかったであろうことを結果的にやっている……それは予想外の世界に踏み込むことになり、成長につながっていると感じます。

福島:LINEはすごく裁量を与えてくれる会社ですよね。「これが足りない」「これはやったほうがいい」という意見に対して「じゃあやってみなさい」と言ってくれるような。今回、GTを作ることになった経緯もそういう感じでしょ?

片野:そう。そういうことも踏まえて、GTを“チャレンジが続けられる会社”にしたいですね。1、2カ月、もしくは半年や1年ぐらいはチャレンジできる会社はあるかもしれませんが、何年も続けるとなると別次元の話になってきます。LINEはそういう会社なので、GTもそうしたいなと。今は立ち上げ時期なので、これから一緒に働く仲間と、文化や制度など、成長できる開発組織を一緒に作っていきたいと思ってます。

福島:他の開発系の会社と大きく違うのは、そういった裁量面でのメリットとサービスの規模感かもしれませんね。

片野:たしかに、多角的に展開している事業やサービスに関われるのはGTではたらくメリットだと思います。あと、GTはLINEグループの子会社ではありますが、ちゃんとプロフェッショナルな集団としてLINEとも対等な関係にしていくつもりです。これは他のグループ会社もそうですね。どの会社もプロ集団であり、決して言われたことをやる“下請け”ではないということは約束できますね。

福島:LINEとも連動しながらいろんなサービスに関わる中で、自分が成長できる領域を見つけて伸ばしてもらえたらうれしいですよね。僕としては「会社のために働く」という考えは持ってほしくないんですよ。あくまで“自分の成長のため”を一番に考え、それが結果的に会社のプラスになるはずですし。そこを意識して働いてくれる方をお待ちしています。