LINE社内向けツール「OAMM」の開発・改善を通して、マーケティングの精度アップに貢献 

氏名:川﨑さん

入社日:2021年9月1日

インタビュー:2023年2月7日

サーバーサイドエンジニア

川﨑さん正面

LINE Growth Technologyの「人を見る力」に魅力を感じた 

LINE Growth Technology(以下、GT)に入社するまでに2社を経験しています。大学院を卒業して入った1社目は、BtoBのパッケージソフトウェアの開発をしている企業で、その開発と並行して情シス組織を立ち上げたり新卒研修の担当もしていました。2社目ではBtoC向けサービスの開発に従事し、後半は情報システム系の仕事や、社内のセキュリティなども担当していました。

転職を考え始めたのは2019年の夏頃から。といっても、コロナ禍や社内での部署異動などもあり、その期間ずっと熱心に活動をしていたわけではなく、待遇面や評価基準がきちんとしている企業があればと思いながら過ごしていた期間も長いんです。仕事の内容にもこだわりはなく、情シスもセキュリティも経験はあったので、「自分が会社で何をするか」よりも「どう評価してもらえるか」「スキルを発揮できる環境か」を重視していました。

GTはそういった面で評価基準がしっかりしているなと思えたし、元々会社のことも知っていて「合いそうだな」と感じていたんです。Growth Technologyというだけあって、ゼロイチの開発よりも1→10や10→100の開発のほうが得意な自分にできることが多いだろうと思いました。選考時にいただいたフィードバックもすごく丁寧で、私のことをすごくしっかりと見て、私のスキルややりたいことを評価、共感してくれているんだなと感じられたのも覚えています。

社内向けのマーケティングツール開発で、テックリードとマネージャーを兼務

現在はOAMM(Official Account Marketing Manager)の開発・運用プロジェクトを担当しています。2022年の11月からは組織体制の変更に伴って、テックリードの役割とチームのマネージャー職も担当するようになりました。

OAMMというのは、「LINE MUSIC」などのような、LINEの関連サービスのLINE公式アカウント運用をサポートする社内用ツールです。LINE公式アカウントからのメッセージ配信を行う際に、よりマッチする=コンバージョン率の高いユーザーに向けてターゲティングできるようにしたい、という要望が多く、OAMMが開発されました。推定年齢をはじめとした基本的な属性だけでなく、社内の各サービスが持っているデータを参照して、よりアクティブな情報を引き出すことができるようになっています。

LINEアカウントと紐づいた行動データの取得・活用にはユーザーの許諾が必須となります。

もう一つOAMMが開発されたのには、よりスピーディーにマーケティンング施策をうてるようにするという目的もありました。OAMMが開発される前はサービスごとのデータベースから絞り込まれたユーザーにメッセージを配信するために、データサイエンティストがクエリを作成するなどの手作業が必要だったんです。結果としてマーケティング施策に時間が掛かってしまっていたので効率化が急務だったんですよね。

こういった背景からOAMMの開発がスタートした当初はとにかくスピード重視で開発が進められてきたのですが、最初のリリースから数年たち、OAMMを導入しているサービスも増えてきて、扱うデータ量が多くなってきました。今のOAMMの実装では、今後求められてくるような大量のデータに耐えられなかったり、サービス側のターゲティングの要望に応えられない可能性も出てきているので、より大量のデータを扱うのに適した 構造にできるように改善を進めています。

初めての経験となるマネジメントは、責任の重さを感じることも

テックリードに加えて、11月からマネジメントも自分の仕事の一つになりました。これまでにマネジメントを経験したことがほとんどないので、大変さを感じることも多いです。特に「決断」する必要があるのが、これまでと決定的に異なるところでしょうか。チームメンバーの一人だったころには「こうすべき」と意見を自由に言っていましたが、今の立場では自分の意見にこれまで以上に責任がともないます。メンバーの意見を聞いて考えを変えることも、自分の意見を押し通すこともできてしまいます。そこに大きな責任がともなうということを実感しています。

GTに来て、これまでの職場と違うなと感じるのは、売上至上主義から脱することができたところですね。自社製品やサービスを売っている事業会社では、どうしてもスピード感のある開発や売上をあげることが重視されますし、評価基準もそこに偏ってしまいがちだなと感じていて。GTはサービス運営上の課題を解決するための開発や改善がミッションなので、目の前の課題がどのように解決できたかが重視されます。私はどちらかといえばバグやミスの発生しにくいものをきっちりと作り上げることが好きだし得意だったので、今の環境はすごく合っていると思います。もちろんスピード感がないわけではないのですが、特に今担当しているOAMMは障害が発生したり、ターゲティングにミスがあるとクレームや大きな問題に発展してしまうこともありえるので、「とりあえず動くからOK」でリリースするのではなく、しっかりと品質面を担保したものを作るような構造が求められていますね。

GTで働くメンバーが、どこに行っても「使える」力をつけられる環境を作りたい

マネージャーになって3ヶ月。正直キャパオーバーな面もあり、ピープルマネジメントに割ける時間を確保できていないのが課題だと感じています。テックリードとしての仕事は他のメンバーに任せるなど、マネジメントに専念できる土台づくりを進めていくのが今後の目標です。 

エンジニアとしては手を動かしてコードを書くよりも、きちんと動くバグのないものを設計することのほうが好きなので、キャリア的にも自分にはマネージャー的な立場のほうが合っているだろうなと思っています。

仕事を人に渡すという面で、もちろんメンバーも増やしたいですね。私がチームにいて欲しいなと思うのは、品質面を大切にしたいと思っている人です。もちろん純粋に手を動かしてコードを書くのが好きな人も必要ですが、LINEではなくGTを選ぶのなら、1→10や10→100のブラッシュアップをしていきたい、という志向のある人が向いていると思います。

新たに加わってくれる人に対しては、私自身としてはやはり“より正しい”、スタンダードな開発手法を使えるエンジニアとして成長していってほしいという思いがあって。自分なりのやり方だとどこかしらに穴があったり、予期せぬエラーが起こってしまうこともやっぱりあるんですよね。またスピード感の話になってしまうのですが、プロダクトを作り始めたタイミングでスクラップアンドビルドを繰り返してるような時期ならそれもアリだけど、成長フェーズのサービスではより世間で取り入れられている方法とか、みんなが使いやすい方法を採用したほうが改善に結びつきやすくなると思います。

それに、GTでは若手のエンジニアも多いので、成長の先にはネクストキャリアへの意識が強い人も多いように感じます。それは社内の他のチームや、もしかしたら他の会社かもしれませんが、どんな環境でも使える手法を身につけておけばキャリアも拓きやすくなるはず。だからこそ、私のチームではより広く受け入れられる、スタンダードな手法で仕事ができる環境を用意しておきたい、というのは常に考えています。GTでの経験が、メンバー自身のキャリアにとってプラスになればと思っていますし、そのための環境を整えていきたいですね。